コアセラピーセミナー2009
「腰痛・骨盤痛に対するコアセラピー」
(1)セミナーの目的
腰痛・骨盤痛は高頻度に発生する運動器疾患であるにも関わらず、ゴールドスタンダードと呼ぶべき治療法が確立されていません。その理由は診断学的に組織損傷を同定しにくいこと、症状が多彩であること、多数の関節や運動機構が関与することなどが挙げられます。これらに対して、コアセラピーで培ってきた胸郭・骨盤のリアライメントを基盤とする評価法と治療方法の有効性が徐々に証明され、より効率的かつ効果的な治療法へと進化してきました。
今回のセミナーでは、腰痛・骨盤痛に対するコアセラピーの考え方と実際を紹介します。十分に実技の時間を設け、機能評価やエクササイズの効果を体験していただきます。コアセラピーの具体的内容としては、ストレッチポールを用いたエクササイズ(PTRプログラム)、最新の骨盤コンディショニング機器であるATM2、そしてこれらの道具を用いない安全性の高いリアライメント方法などを紹介します。
このセミナーの内容は下記の文献の内容に準じています.参加申し込みをされた方には,開催日の1週間前に下記の文献を送付させていただきます.
1.蒲田和芳, 杉野伸治, 山内弘喜. (2008). "骨盤・胸郭リアライメント法(PTRプログラム). " 理療 38(4): 62-76.
2.蒲田和芳, 杉野伸治, 山本大造, 山内弘喜. (2009). "骨盤・胸郭のリアライメントによる腰痛・骨盤痛の治療." 理療 39(1): 21-34.
このセミナーでは,コアコンディショニングやコアセラピーの基本についての講義は行いません.初めてコアセラピーセミナーにご参加される方は,事前に「コアコンディショニングとコアセラピー」(講談社)の第3章と第5章をお読みください.
(2)対象
理学療法士、柔道整復師、鍼灸師、アスレティックトレーナーなど
(3)到達目標
l 骨盤と胸郭の運動・アライメントについて理解する.
l 骨盤と胸郭の異常運動・マルアライメントと腰痛・骨盤痛との関連性を理解する.
l 腰痛・骨盤痛に対するコアセラピーの考え方と方法を理解する.
l ATM2を用いた腰痛・骨盤痛治療の方法と実際を理解する.
(4)プログラム
| 時間 | タイトル | 講師 |
14:00-14:50 | 講義1:骨盤・胸郭の運動学とバイオメカニクス | 山本 大造 |
15:00-15:50 | 講義2:腰痛・骨盤痛の概念と発生機序 | 蒲田 和芳 |
16:00-16:50 | 講義3:腰痛・骨盤痛における機能評価と治療概念 | 山本 大造 |
18:00-18:50 | 実技1:腰痛・骨盤痛における機能評価 | 蒲田 和芳 |
19:00-19:50 | 実技2:腰痛・骨盤痛に対するコアセラピー | 蒲田 和芳 |
20:00-20:50 | 実技3:腰痛・骨盤痛に対するATM治療 | 山本 大造 |
(5)講義内容
■講義1 骨盤・胸郭の運動学とバイオメカニクス
【講師】
ゴルフレスキュー 山本大造
【内容】
姿勢や運動機能に関与する骨盤・胸郭の機能解剖学、アライメント、運動学について講習するとともに、この後の評価やエクササイズで注目すべきポイントについて解説します。
胸郭は呼吸運動においては胸郭全体が一つの役割を果たしますが、胸郭に隣接する運動機構である頸椎や肩関節あるいは腰椎の運動に対しては、胸郭の一部分が柔軟に運動し、隣接部位の運動に貢献しなければなりません。しかしながら、健常者も含めて多くの方でこのような胸郭の部分的な運動機能が低下しています。この講習では胸郭のマルアライメントのパターンおよび可動性減少について解説します。
骨盤は、3つの骨から骨盤輪を形成していますが、殆どの人の骨盤は非対称的なアライメントとなっています。その歪みを数値化することはなかなか難しいのですが、歪みのパターンは比較的容易に判定されます。この講習では、骨盤に起こりうる歪みについて解説します。
■講義2 腰痛・骨盤痛の概念と発生機序
【講師】
広島国際大学 蒲田和芳
【内容】
腰痛・骨盤痛の中でも機械的刺激によって症状が増減するような“機械的腰痛”を定義し、その疼痛発生の力学的要因、神経生理学的要因について整理します。特に運動と連動して起こる腰痛については、力学的条件を変化させることで逆に症状を軽減することも可能であり、症状の増減から治療方針を決定していきます。この講義では,機械的腰痛の発生機序とメカニズムを理解します.
■講義3 腰痛・骨盤痛における機能評価と治療概念
【講師】
ゴルフレスキュー 山本大造
【内容】
腰痛・骨盤痛の機能評価については、胸郭と骨盤のマルアライメントを中心に問題点を絞り込んでいきます。胸郭については,特に腰痛との関連性の深い要素についての評価について理解し、ソラコンの適応について考察します。一方、骨盤については、寛骨と仙骨のアライメントを正確に見極め、ペルコンの適応の有無を判定します。以上の結果に基づきペルコンとソラコンの適応の有無を判定し,その結果に基づいた合理的な治療プログラムを決定します。
■実技1 腰痛・骨盤痛における機能評価
【講師】
広島国際大学 蒲田和芳
【内容】
実際に骨盤と胸郭の機能異常についての評価を行います.特に疼痛誘発テスト,疼痛減弱テストの結果を注意深く考察し,その結果に基づいて治療方針を立案します.下位胸郭の運動,寛骨アライメント,仙骨アライメント,下肢の機能異常の4部位について注目していきます.
■実技2 腰痛・骨盤痛に対するコアセラピー
【講師】
広島国際大学 蒲田和芳
【内容】
機能評価に基づき、ペルコンとソラコンの適応となる例に対しては,これらを効果的に実施します.一方,ペルコンの適応とはならない骨盤マルアライメントを有する例に対する治療法を解説します。このタイプは、ペルコンによって寛骨のアライメントを正常化しようとした際に仙腸関節へのストレスが増大する可能性が高いものであり、仙骨のリアライメントを慎重に進めた上で寛骨のリアライメントを進める必要があります。
■実技3 腰痛・骨盤痛に対するATM治療
【講師】
ゴルフレスキュー 山本大造
【内容】
ATM(active therapeutic movement)とは,アメリカ生まれの腰痛治療器・骨盤リアライメント機器です。近年、日本への輸入が開始されて研究が進められる中で、骨盤や胸郭のリアライメント効果が一瞬にして得られることが分かってきました。その効果に関する研究および教育は日本コアコンディショニング協会のコアセラピー研究部会が担当しています。この実技では,腰痛治療器であるATM2を用いることにより,実技2と同様の効果が瞬時に得られることを体験していただきます.
(6)講師名 およびプロフィール
蒲田 和芳(がまだ かずよし)
■現職
広島国際大学保健医療学部理学療法学科 准教授
株式会社GALB(ジーラボ) 代表取締役
日本コアコンディショニング協会理事
■学位・資格
学術博士・理学療法士
日本体育協会公認アスレティックトレーナー
■学歴
1995年 社会医学技術学院夜間部 理学療法学科卒業
1998年 東京大学大学院総合文化研究科修了(後期過程)
身体科学専攻
■職歴
1998-2003年 横浜市スポーツ医科学センター
整形診療科理学療法室長
2003-2005年 コロラド大学ヘルスサイエンスセンター
(ポスドクフェロー)
2005-2006年 フロリダ大学機械・航空工学科
(リサーチフェロー)
2007-2008年 蜂須賀整形外科(非常勤理学療法士)
2008年より 貞松病院・和光整形外科(臨床アドバイザー)
■スポーツ関係
1995年 福岡ユニバーシアード選手村診療所
1996年 アトランタオリンピック JOC本部医務班
2000年 シドニーオリンピック JOC本部医務班
その他、東京大学アメリカンフットボール部
株式会社ワールドラグビー部
シャンソン化粧品女子バスケットボール部
などの医学的サポート
■著書
ACL損傷予防プログラムの科学的基礎(ナップ)
肩のリハビリテーションの科学的基礎(ナップ)
コアコンディショニングとコアセラピー(講談社)など
http://www.ortho-pt.com/pages/library/books.php
■セミナーなど
・スポーツ理学療法セミナー(SPTS):主催・企画・監修
・臨床スポーツ理学療法セミナー(CSPT):主催・企画・講師
・コアセラピーセミナー:主催・企画・講師
■開発商品など
・3分で装着できる簡易インソール
・下肢動的アライメント矯正用バランスシューズ
・足関節捻挫予防用バランスシューズ
・骨盤と胸郭アライメントを修正するボディスーツ
・膝関節のスクリューホーム運動を回復させる
簡易レッグプレス装置(ミナト医科学)
・医療・女性向ストレッチポールMX(株式会社LPN)
■株式会社GLABの主な業務
・コンサルティング:
リハビリテーションの質向上をサポート
・企画開発:
簡便な道具や補装具の開発・商品化
・セミナーの企画・開催・事務局代行
・インターネット販売:リハビリ関連商品
山本 大造(やまもとだいぞう)
■現職
ゴルフレスキュー コンディショニングルーム
日本コアコンディショニング協会コアセラピー研究部会員
■学位・資格
理学療法士
■学歴
1995年 同志社大学商学部 卒業
1999年 行岡リハビリテーション専門学校理学療法学科卒業
■職歴
1999-2001年 貴島病院本院リハビリテーション科
2001-2003年 横浜市スポーツ医科学センター理学療法室
2003-2007年 貴島病院本院付属クリニック理学療法室
■スポーツ関係
1995年 京都パープルサンガ マッサー
■著書(分担執筆)
ACL損傷予防プログラムの科学的基礎(ナップ)
コアコンディショニングとコアセラピー(講談社)
整形外科疾患のリハビリテーション(メディカ出版)
セラピストのための疾患の知識(メディカ出版)
■セミナーなど
コアセラピーセミナー:講師